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2008年8月30日 (土)

電気電子部門はなぜ合格率が低い(?)

SKIYAKI塾掲示板 No.15127~15128 に次の書き込みをした。「電気電子部門だけでは見えてこない」という刺激的なタイトルで・・・。

【SUKIYAKI塾掲示板】 電気電子部門の特徴は次のとおりではないかと思います。もっとも電気電子だけの特徴ではありませんが・・。
(1)作問試験官は大学教授(たぶん。下記URL参照)
(2)必須科目(部門一般)問題は、選択科目別(皆さんが「専門問題」と称しておられるもの)。

上記(1)(2)の条件を満たす部門は、他にもあります。原子力・放射線、経営工学、金属、生物工学など(生物工学だけは20年度問題を確認していませんが、19年度問題からの推定)。
これらの部門の19年度合格率は、各々48.2%、23.9%、20.8%、12.7%です。生物工学が少し低い以外は特筆すべきことはありません(原子力・放射線は高過ぎですが・・笑)。電気電子一般問題自体が他と比べて難しいとは思いません(専門知識は分かりませんが)し、上記のとおり問題と合格率には相関はないようです。

一方、例えば、機械部門。19年度から部門一般問題は、科目別問題から共通問題に一変しました(作問試験官は大学教授1名、民間会社勤務1名と推定・・下記URL参照)。
なぜ電気・電子部門では、それが出来ないのでしょうか。作問試験官が大学教授だけだから(?)。それもあるかもしれませんが・・一般問題をよく見ると・・・。Ⅱ-1(エネルギー、地球環境保全)、Ⅱ-4(非破壊検査)、Ⅱ-8(地球温暖化に代表される環境問題)は「共通的」な問題ですよね。これら3問を選択するだけでよい「選択科目」(計5科目)が2科目ありますし、その他の科目でも、指定3問のうち、上記だけで2問を賄えることになります。

19年度電気電子一般問題で「共通的」な問題はありませんでした(あえて言えば、LRTの問題?)。

何が言いたいか。20年度電気電子一般問題は、19年度試験方法改正の主旨に沿って、静かな変化を見せているということです。
なぜ「静かな変化」なのか。そこに試験官の配慮を見ます。合格率が低いゆえに、従来の受験者(一般問題を「知識問題」とみる人)にも配慮し、かつ初めての受験者(19年度試験方法改正に沿った勉強をした人?)にも、対応し易いように、問題を選択していると・・。『親心』が感じられませんか。それが感じられないと、部門一般問題で大切な(私だけの感覚ですが・・笑)「設問者の意図を知って」解答することは難しいのでは。
私の予想では、21年度はもう少し「19年度試験方法改正」の主旨の方向に問題が変わると思います。20年度の合格率が他部門レベルになった場合は、19年度機械部門と同様に「一変」するかもしれません。従来の受験者に対する配慮の必要性が低くなって・・・。

大丈夫ですか?従来どおりの勉強方法で・・。

長くなりました。私のプログの方で具体的に展開しようと思います。乞うご期待。kmatsu改めIntPE    【注】書き込んだ時はそう思っていた。だが、違う側面があることを発見した。それは試験官の「焦り」。『電気電子部門合格率の秘密を推理する』を見て欲しい。

http://kmatsu50.cocolog-nifty.com/blog/2008/06/post_7ad9.html

【SUKIYAKI塾掲示板No.15128】 No.15127の書き込みで申し上げましたが、21年度電気電子一般問題(一変した場合)として想定されるのは、例えば次のような問題です。

【想定問題Ⅰ】生活者の安全・安心の確保が大きな社会問題となっているが、この問題に対する電気電子部門としての課題を挙げ、その対応策についてあなたの見解を述べよ。(20年度経営工学「ロジスティクス」Ⅰ-2-1の「○○としての」を変更)

【想定問題Ⅱ】資料は、地球温暖化対策の一環として情報技術の活用によって環境負荷低減を図る「グリーンITイニシアティブ」政策に関し、経済産業省が公開したものである。この資料を読み、電気電子部門の技術士の立場から提案をせよ。その提案がどのように役立つかを具体的に説明せよ。(20年度情報工学一般Ⅱ-2一部修正)

【想定問題Ⅲ】電気電子装置は設置環境により、多くの配慮が必要になる。例えば、宇宙環境で使用する場合において微小重量(重力、浮力、熱対流などの影響)と真空(気密、潤滑剤の蒸発、熱放出などの影響)が問題になる。また、質量の大きな地球と切り離され、慣性の問題も起こる。さらに、深海においては、圧力や海水の導電性(通信、制御方法などの影響)が問題になる。
電気電子装置がこれまでと異なる環境条件(例えば、砂漠、高温多湿、海岸などの自然環境、工場、公共スペース、一般家庭などの人的な環境、さらにはナノ、マイクロなどの寸法制約を受ける環境など)で長期間使用される場合において、電気電子装置がそのまま使用できないとすれば、それはどの様な問題によるものか。また、どのようにすれば解決することができるか。(以下、略)(20年度機械一般Ⅱ-1一部修正)

要するに、世の中(技術士試験)の大きな変化に敏感になれば、他部門の一般問題の中に「電気電子部門一般」のあるべき問題ネタがあるのでは・・ということを申し上げたいのです。IntPE

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コメント

IntPE様

 いつもお世話になります。
ところで、私が平成18年度に機械部門に合格したときに口答試験対策セミナーでいっしょになった人から聞いた話ですが、「平成17年度まで電気電子部門の情報通信を受験していて合格しないので、今年(平成18年度のこと)思い切って機械部門の情報・精密機器を受験したら合格しました。」という人に合いました。細かい話はしていませんが、その人が言うには、「経験論文は平成17年度に電気電子部門でCランクだったのに、平成18年度機械部門ではAランクだった。」と言っていたのを貴台の「電気電子部門はなぜ合格率が低い(?)」を読んでいて思いだしました。私も技術士になってからいろいろ勉強会等でいろんな人(もちろん技術士・技術士補)とおはなしさせていただいていますが、最近思うことは、各部門及び選択科目毎に「技術士像」なるものがあるような気がします。(それは何かはわかりません・・・笑)ひとつ事例で挙げますと、金属部門の金属材料です。平成19年の口頭試験合格者が3人(8人中)、平成18年は2人(11人中)です。何を言いたいかといえば、やはり部門及び選択科目毎に難易が明確に有ると思います。その難易は、上記の各部門及び選択科目毎の「技術士像」に該当するかしないかで決まっているのではないかと思うのです。技術士も資格試験でまずならないことにはすべてが始まらないと私個人は思っています。合格率の低い部門ではなくある程度高い部門に鞍替えするのも1つの手ではないでしょうか・・・・

投稿: 物流機械 | 2008年8月31日 (日) 21時34分

物流機械様

私は会社の技術士試験講座講師をやっています。その中で最大の疑問が「なぜ電気電子部門は合格しないのか」ということです。
私の同年配(定年退職が近い)には、電気電子部門技術士がいるのですが、それを引き継ぐ年代に合格者がいない・・これが、かなり問題になっています。
「電気電子」の問題を見ると、飛びきりの難問というわけではなさそうだし。人(受験者)の問題か・・「電気屋」は割り切れる仕事をしているせいか見方が狭い(?)。採点が厳しいのか。(少なくとも問題のせいではなさそうだ)

というわけで・・電気電子部門受験者の書き込みに割って入ったという次第。まぁ・・どこへでも無遠慮に入っていくのが、私の悪い癖ですが・・(笑)。
それとは関係ないかもしれませんが、複数の部門の技術士が、どんな部門に合格しているか・・を技術士会名簿から簡単に整理してみました。機械部門と電気電子部門の両方を取得している技術士も少なくありません。
電気電子部門の科目は「電気応用」が圧倒的、対して機械部門の側は「鉄道車両」が比較的多いという結果でした。
そして、元々「電気屋」の人が「機械部門」の技術士にもなっている例が7~8割のようです(総監部門の選択から想定)。「電気電子部門」→「機械部門」取得という順序だと。これは何を意味しているのでしょうか。

さて、話は違いますが(蛇足ながら)・・「機械部門」と「経営工学(包装・物流又はロジスティクス)」の両方を取得している人はいませんでした。予想外(笑)。IntPE

投稿: kmatsu改めIntPE | 2008年9月 2日 (火) 03時55分

社内で電気電子部門を受験した方の意見です。
受験者の得意部門は電気応用であるが、業務経験を考慮するとどうしても電子応用になってしまう、と。
ところが、電子応用の問題は(電気工学に疎い私でさえ)ものすごく幅の広い「専門知識」を必要とされ、これが難関の理由か?と思いました。過去問をさらっと見てみると、マイコンや集積回路、制御理論(現代数学の知識が必要)・・・など。(電気応用が簡単と言っている訳ではありません。為念)

業務に直結した部門と得意分野を紐づけられない、というのが電気電子部門の特殊性かもしれませんね。

投稿: morinokuma3715 | 2008年9月 6日 (土) 23時28分

morinokuma3715様

情報ありがとうございました。
sukiyaki塾ではとても私がホントに思っていることは言えません。morinokumoさんは19年度の電気電子の合格者数/合格率を見られましたか。それを見られたら、私の「危機意識」が見えてくるのでは・・。

人数は合格者、%は受験者に対する合格率 
発送配変電、電気応用、電気応用 各10名(8.8%、6.1%、8.5%)
情報通信 12名(5.4%)
電気設備 20名(8.7%)

この傾向は次のように表現できますが、これをどう見ますか。
(1)5部門のうち4部門が10で割り切れる合格者数。しかも3部門は同じ10名。
(2)10で割り切れない合格者数の科目(情報通信)が最も合格率が低い。

私は、この数字をこう推理します。
①「情報通信」科目以外は、合格者数もしくは合格率をアトで調整した。
②合格者数10名の3科目の合格者数は、実際にはもっと低かった。おそらく4~6名だった。
③逆に「電気設備」(合格者20名)の合格率は元々13%程度(合格者30名)だったのを、他の科目とのバランスを考慮して20名にアトで調整した・・・のではないか。

10で割り切れる合格者がこんなに揃う確率はかなり低いでしょう。現に18年度と比較してもらえば一目瞭然です。また、こんなに合格率の上限が揃うのも稀なはず。「人為的」なものを感じますが、いかがですか。

「電気応用」に比べて「電子応用」の出題範囲幅が広い云々以前のもの、端的には「できの悪さ」を感じているわけです。
19年度・・「電気電子」問題はあまり変えなかったのに、逆に合格率が悪かった。20年度・・試験官は19年度の反省(?)から少し問題を改正主旨に沿って変えました。合格率もしくは合格者数も同様にかなり改善させるはずですよ。その感触は、既に19年度合格発表(合格者数/合格率)に現われている・・と私は申し上げているのです。

こんな率直な話は、APECさんのSUKIYAKI塾では迷惑でしょうから、申し上げないだけ。
あんなに「曝け出す」技術士会は、やはり真面目な(だけの)「技術者」の集団ですね(笑)。
但し、安心できる愛すべき集団ではあります。M重工も昔はそうだったんですがね(笑)。
コメントは修正できないので・・このまま残すか逡巡しましたが・・えぇ~いです。IntPE

投稿: kmatsu改めIntPE | 2008年9月 7日 (日) 19時59分

ご無沙汰しております。
10で割り切れる人数・・・面白いですね。偶然ではないでしょうね。IntPEさんの声が聞こえたのか、今年の試験では驚くほどに10で割り切れる数字が少ないですね。まあ、まだ筆記試験の段階ですので、口頭試験後の最終合格率がどうなのかですが。
それから、複数部門取得者の傾向というのも調べられるんですか。青技懇でもそのような方が多かったように思います。12月のTさんもそうですね。私も講演を聞きたいのですが、行けないのが残念!
最後に、高合格率のところに鞍替えですが、私はどちらかというと逆ですね。周りに技術士が多い環境だったということが原因だと思いますが、合格率の高い年に合格しただけでも、「お前は今年でよかったな」なんて言い方をする人もいたので嫌でした。合格率の低い年に合格したいという意識がありましたね。

投稿: イマジン | 2009年11月18日 (水) 15時56分

イマジン様

コメントありがとうございました。
人間なるものは絶対眼が苦手、相対眼は得意・・と私は思って(思い込んで)いますので、60%のところで上手に線引きできる動物ではない・・という信念を持っています。
だから、科目の合格者数が全て10名だったとしても、不思議に思いません(笑)。普通の感覚では、そんなに揃えてミエミエじゃない(笑)と思ってしまいますが、そこが日本技術士会なんですねぇ。
複数部門取得者の傾向は、技術士会の会員のAND検索で分かります。面白いです。一度トライしてみてください。IntPE

投稿: IntPE | 2009年11月20日 (金) 00時18分

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