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2012年3月24日 (土)

技術士試験問題は誰がいつ作るのか?(24年度版)

試験委員が交替することを除けば、「試験委員の推薦方針」等は2年前の「技術士試験問題は誰がいつ作るのか?(22年度版)」と変わらない。それを参照して欲しい。ここでは、主として第二次試験を対象として、その後の変遷を示す。
なお、試験部会の専門委員は試験委員を推薦するのが役割であるが、自ら試験委員となっている例もあり、ここでは、大学教授(専門委員)は大学教授を、民間人(専門委員)は民間人を試験委員に推薦し易いものと仮定している。
試験部会議事録によると、技術士会は個人情報として技術士情報を試験委員に開示していないようであり、技術士でない大学教授委員から技術士を推薦したくてもできないとの苦情が出ている現状でもある。
http://kmatsu50.cocolog-nifty.com/blog/2010/05/22-94d9.html

1.試験問題は誰がつくるか/大学教授か否かで試験問題がどう違うか
「試験委員の推薦方針」(下記URL)によると、「試験委員は①大学教員又は②技術士第二次試験合格者等」となっている。技術士試験の試験委員名は公表されてないが、試験委員を推薦するのは、文科省の科学技術・学術審議会技術士分科会の下の試験部会の「専門委員」(下記URL)である。22年度版では、①(大学教授)が多い技術部門は18年度以前の「知識問題」に近い問題を出題する傾向がみられるようだと述べた。

【19年度(試験制度改正)】専門委員(第二次試験20部門) 計27名 内訳:①教授12名(44%)、(独)(財)法人8名(30%)、②民間(技術士事務所含む)7名(26%)

.①②の比率
・化学 : ②2名
・水産 : ②1名(技術士事務所)
・機械・応用理学部門 : ①1名、②1名
電気電子・環境・原子力部門 : ①2名 〔環境は教授1名+(財)1名〕
・建設 : ①3名 〔うち(独)(財)各1名〕
・上下水道・衛生工学・農業・森林部門 : ①(独)(財)1名〔土建関係は(財)が強い〕
・船舶・航空・繊維・金属・資源工学・経営工学・情報工学・生物工学部門 : ①1名 〔航空は(独)〕

.部門一般問題が「知識問題」である部門
 電気電子金属、農業、森林、経営工学生物工学原子力

A、B両者を比べると、ある相関があるらしい。そう、「知識問題」から離れられない「大学教授」の姿が。少なくとも、民間人はBの出題はしないようだ。

【22年度の変更】専門委員(第二次試験20部門) 計28名(環境1名増) 内訳:①教授14名(50%)、(独)(財)県8名(29%)、②民間〔技術士、(社)を含む〕6名(21%)
.①②の比率
・繊維 : ②→①1名(技術士→県)
・環境 : ①教授1名増
 委員は交替しても①②間の移動はほとんどない。
.部門一般問題が「知識問題」である部門
 電気電子金属経営工学生物工学

【24年度の変更】専門委員(第二次試験20部門) 計28名 内訳:①教授14名(50%)、(独)(財)法人5名(18%)、②民間〔技術士、(社)、組合を含む)9名(32%)
.①②の比率
・機械/応用理学 : ②→①1名〔(株)→教授〕
・航空 : ①→②1名〔(財)→(株)〕
・建設 : ①→②1名〔教授→(株)〕
・衛生工学 : ①→②1名〔(財)→(株)〕
・農業 : ①→②1名〔(財)→組合〕
・情報工学 : ①→②1名〔教授→(株)〕
 徐々に(財)委員が減り、民間委員が増加している。
.部門一般問題が「知識問題」である部門(23年度)
 金属経営工学生物工学

2.試験問題はいつ作られるか/問題内容との関係

問題作成過程は、試験部会資料「平成24年度技術士第二次試験試験委員の推薦時期及び推薦数について」(下記URL参照)からすると、次のとおりである。

作問委員推薦(H24年1月23日迄)/作問委員による総会(日本技術士会からの説明)(H24年3月8日)/「問題作成期間として約2か月を確保」 ⇒ 問題作成期間 3/9~5/8

この試験問題作成時期は、設問内容に影響するのだろうか。「時事問題に疎い」ことは、少なくとも「技術士に相応しくない」と判定される要因として批難されない。試験目的は「技術士に相応しくない者を合格させない」ことにある。試験官の目的はそれを判定することにあるのだから、容易に合否が判定できる「時事問題」は設問として試験官に好まれる。この時期迄に設問委員が知りうるもので比較的新しく、かつ「技術士を目指す」受験者が知っていて当然と思われる設問になり易くなろう。例えば、機械部門であれば、こうなる。設問委員は、(かなりの高確率で)少なくとも日本機械学会の会員であり、(自分もそうであるように)当然、受験者は機械学会誌を読んでいると考えているから、問題作成前の機械学会誌の情報(最近1年ぐらいの「特集」などが最も可能性が高い)を元に出題された例がある。

技術士分科会試験部会専門委員(24年度)
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu7/meibo/1306736.htm

試験委員の推薦方針(24年度)
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu7/002/attach/1314641.htm

第二次試験委員の推薦時期及び推薦数(24年度)
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu7/002/siryo/__icsFiles/afieldfile/2012/01/06/1314643_4.pdf

以上

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